左バッターに転向して打率3割を超える方法

20歳で左バッターに転向して成功した経験から、その戦略やコツ、練習方法やバッティングフォームについてまとめました。

公立進学校の野球部が、私立強豪校に勝つ方法

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大学時代、僕は国立大学の硬式野球部に所属していたのだが、ある関西の1部リーグで、私立大学を破って準優勝したことがある。

高校でも大学でも、公立校は私立強豪校に勝てない。そんな常識があるが、自分の経験をもとに公立校が私立強豪校に勝つには何が必要なのかということを考察し、まとめたいと思う。

高校時代の後悔

進学校で野球生活を成功させるコツ。それは、"徹底的に準備すること"以外にないと考えている。僕は高校時代、これを十分できなかったことを後悔している。というのも、高校時代の野球部は結構「根性」重視だった。どれだけ力強くスイングできるか、どれだけ良いバックホームをできるか、どれだけ元気に声を出して盛り上げられるか、というところに注力しがちだった。そして監督に怒られまくって、監督の言う通りの練習を、真夏に水分補給もせずにひたすら続ける。自分がしていたのは、そんな野球だった。でも、多くの高校がそんな感じなのではないだろうか。

僕たちの野球部では進学校にしてはわりと多めの練習量をこなしていた。授業後の練習はもちろん、週7日のうち、6日は朝7時から全体練習をしていたし、定休日の木曜日も、たくさんの部員が自主練習という形でグラウンドに来て練習をしていたものだ。練習試合も含め、試合の当日にはいくら朝が早くなろうとも朝練はあった。(朝5時台から練習したことも何度もあった)

でも練習内容はやはり偏っていたと思う。主な練習メニューは、フリーバッティングとシートノック、それから守備の基礎練習みたいな感じ。フリーバッティングは、ティーバッティングと守備とでサーキット形式にして確かに効率的で中身は濃いものにはなっていた。

ただ、バント練習は週に1・2回で、走塁練習はシートノックやゲームノックでサブ的に行うのみ。盗塁の練習なんかもほとんどしていなかった。その部分は、各々が、練習試合等の実戦の中で培っていく感じだった。でも、普通に考えて、そんな「力勝負」で私立強豪校と勝負できるはずがないのだ。

現実と向き合う

なんせ相手は充実の設備で朝から晩まで好きなだけ野球に打ち込める環境で練習している。それにほとんどは野球推薦で入学した選手。僕たち公立進学校では、限られた設備で、勉強(恋も)と並行しながら練習する必要があるのだから。

そんな状況で、簡単に強豪校には勝てない。というか基本はやはり勝てないのが現実だ。

もちろん根性は大切だ。でも、それは相手だって持っている。根性では埋められない差が、そこにはある。まずはその現実を直視しよう。しかし、強豪校に勝てるチャンスは必ずある。

僕が所属していた国立大学の野球部では、8年間勝ち星を上げられなかった私立強豪校に勝利し、関西のある1部リーグで、準優勝を果たした(優勝でもないのにエラそうに言うなと思われるかもしれないが、我々にとっては大金星だった)

 

その時の勝利の喜びときたら何にも代えがたい最高の瞬間だった。

そう。その一瞬を経験するために、僕たちは高校の貴重な3年間、大学の貴重な4年間を野球に費やしているのではないだろうか。

勝つための「準備」をすること

所属していた大学の野球部は、全員が受験勉強をして入学していて野球推薦などはなかった。もちろん昼間は授業もあるし、限られたグラウンドや設備をサッカー部・ラグビー部などと分け合いながら、そして夜はバイトもして自分で生活費をかせぎながらさらには3年生は就職活動もしながら練習している、普通の国公立大学の野球部だ。

では、勝つために何をしていたか。それが、徹底的な「準備」をすることだった。それはつまりどういうことかと言うと、以下の3点。

1. あらゆる場面を想定してまんべんなく

2. 効果が見えにくいことでもきちんと

3. かつ、それを継続的に練習すること

私立強豪校といえども所詮はアマチュア。もちろんミスはつきものだ。相手がスキを見せた瞬間を逃さず、ぐっとこちらのペースに試合展開をもっていけるように徹底的に準備しておくことが試合に勝つ可能性を1%でも上げるための唯一の方法だ。正直、いくら準備をしていても失敗することはある。でも、準備をしていなければ絶対成功はしない。

では、1点目から見てみよう。

あらゆる場面を想定した準備

野球の練習は、いわゆるフリーバッティングなどの打撃練習と、ノックなどの守備練習が中心だ。僕が所属していた大学の野球部では、ちろん、バッティング練習や守備練習は精一杯行った上で以下のような地味な練習も、かなり大切にしていた。

バント練習

送りバント・スクイズはもちろん、足が速いバッターはセーフティバントやバスター、セーフティバスターなどの練習を継続的に毎日練習メニューに組み込んでいた。全体練習に組み込めない時は、マシンを設定して、練習後に必ず行っていた。

走塁練習

ホームから2塁まで、2塁からホーム、1塁から3塁まで、どういう角度で、ベースのどこを踏んで、どんな曲線で走れば最も速く走れるのか、タイムを計りながらほぼ毎日練習した。もちろんいろいろなピッチャーでの盗塁練習も欠かさず行っていた。

動画研究

これは高校野球では難しいかもしれないが、対戦相手のピッチャー・バッターを動画で撮影し、配給やフォームのクセ、打球方向の傾向をきちんと分析して試合に臨んでいた。また、バントやバッティングのフォームなど、自分たちの練習の様子も撮影して反省していた。

しかも、そういった練習を自分たちなりに考え抜いてやっていた。例えば、盗塁する時、どのあたりからスタートすると、最も効率的に2塁に辿りつけるだろうか?

正解は「1塁ベースよりベース半個分うしろ」。

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なぜなら、2塁ベースは、1塁ベースより半個分うしろにあるからだ。キャッチャーの送球から一番遠い、ベースのセンター側の角にスライディングすることができる。

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こういった、すぐに効果は出ないような細かいところにまで気を使って練習していた。

効果が見えにくいこともきちんと準備

効果が見えにくいことはついついないがしろにしがちだ。

でも、僕の所属していた大学ではバントや走塁などの練習はもちろん、ビジョントレーニング、メンタルトレーニングなど、効果が見えにくいことも毎日少しずつ練習に取り入れていた。

ビジョントレーニングとは、いわゆる動体視力や周辺視野のような通常の「視力」とは違う、目の力を伸ばすトレーニング。詳しくは以下の書籍がオススメ。

眼から鍛える運動能力―ビジョントレーニングのすべて

眼から鍛える運動能力―ビジョントレーニングのすべて

Posted with Amakuri at 2018.8.5

  • 内藤 貴雄
  • 日刊スポーツ出版社

 

例えばこんな感じのボードで「1~20」までの数字を全て順番にタッチしていって、みんなで競争する。

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 これは、焦点が合っていないものも見分けるための「周辺視野」を鍛えるトレーニングで、打球を見ながらランナーも見る時に使う力を鍛えるものだ。メジャーリーグでも取り入れられている。

はっきり効果が見えにくいものや、あまり多発しないケースの練習というのはついつい後回しにしがちだ。くり返すが、いくら準備をしていても失敗することはある。でも、準備をしていなければ絶対成功はしない。だから、私立強豪校に勝つためには準備するしかないのだ。

 相手のスキにつけこみ勝つ可能性を1%でも上げるにはあらゆる場面を想定して効果が見えにくいことでもきちんと徹底的な準備をすることがやっぱり大切なんじゃないかと思う。

 毎日少しでも継続的に準備

「でもそんなに練習する時間ないよ!」と思うかもしれない。

それぞれの練習に、めちゃめちゃ時間をかける必要はない。毎日少しでも継続的にやることが成功する確率を少しずつ上げてくれるのだ。

 不思議なもので、人間の体というものは一気にたくさんやっても、しばらく間を空けるとすぐに忘れてしまうものだ。でも毎日少しでも継続的にやれば、いつの間にか身についていく。(これは勉強も同じかもしれない)

プロのピアニストは、1日練習を怠ると感覚を取り戻すまでに3日は練習が必要だと言われている。素人の我々ならなおさら、継続することが大切なのだ。

それに、準備をしていることはメンタル面にも良い。つまり、試合中の自信につながる。あまり練習をしていないケースのプレーには迷いが生じる。

例えば、3日前に、3時間バントの練習を綿密に行ったとしてもいざ、試合でバントの場面に遭遇すると3日前の感覚はすでに忘れかけているので構えに迷いが生じる。でも、例え10分でも毎日やっていることであれば不思議と体はそれを覚えていて迷いが消えるものだ。 

頭にちゃんと成功のイメージが持てるので自然とバントの成功率も高まる。メンタルトレーニングの本を何冊か読んで勉強したことがあるのだが、よく言われているのは、人は直前に頭で描いたイメージ通りの動きをするということ。ちなみに、野球のメンタルトレーニングについては以下の本がオススメ。

野球のメンタルトレーニング

野球のメンタルトレーニング

Posted with Amakuri at 2018.8.5

  • ハーベイ・A. ドルフマン, カール キュール
  • 大修館書店

 

毎日練習をすればするほど成功のイメージが上手く描けるのだ。野球とゴルフは特にメンタルに左右されやすいスポーツだと言われている。だからこそ、毎日、少しずつであっても、継続的に練習を続けていくことが大切なのだ。

まとめ

進学校で、強豪校に打ち勝つ上で大切なことは徹底的に準備すること。そしてそれは、「あらゆる場面を想定してまんべんなく」「効果が見えにくいことでもきちんと」「かつ、それを少しずつ継続的に練習すること」。